ユったりくつろぐ銭湯入門

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桜館(東京都大田区池上)【東急池上線池上駅】~やのしん銭湯記vol.5~


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やのは激怒した。

浴室で眼鏡が盗まれた。

洗い場の脇に置いてサウナに入って、出て来たら無くなっていた。

あらゆるところを探した。くまなく3周くらい探した。

脱衣場の棚、ゴミ箱の中、排水溝、向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにあるはずもないのに。

悲しすぎてこんな使い古されたボケしか思い付かない。

山崎まさよしはまだどっかに君の姿を探しているのだろうか。「"いつでも"探しているよ」と綴ったのだから、探していなければ嘘になるぞ。それくらい言葉には責任を持って欲しい。

そんな風に僕は考えるから、軽はずみに「一生」とか「永遠」とかを使う人をどうしても信用する気になれない。

劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチは、作中で「毎晩君のことを考えていた」という台詞を「毎晩、いや、"事あるごとに"君のことを考えていた」とぼかして表現していた。それが人間だ。こういう表現が出来る人は信用できる。

違う違う、眼鏡を盗まれた話だ。

番台さんに泣きついたら「最近眼鏡のフレームを狙う連中が出だしている」らしい。世知辛い世の中だ。

思えば池上にはろくな思い出が無い。

僕の前職はエンジニアなのだが、2年前に池上の現場に派遣されていた。

そこは社長が新興宗教の教祖様みたいな振る舞いをしていて、どう見ても欠陥の多い人材を敢えて積極採用して信者として更正させていくという、中々に悪趣味な経営をしていた。

僕は不運にもそこの社長に溺愛されて、危うく強制的に引き抜かれる寸前まで行ったのだった。

その忌まわしき件があって以降池上は意識的に避けていたわけだが、気を抜いて来てみたら今回の件だ。

池上と僕は波長が合わないのかもしれない。

まぁそれはそれとして、桜館はめちゃくちゃ良い施設だった。

加水なしの100%天然温泉があって、今の時期だとそこから桜が見える。

サウナ室は110℃で高湿。びっしょりと汗をかけるけど、換気が良いのか息苦しさがない。あと銭湯にしては広い。絶えずタオルを干すマナー違反者はいたが。

サウナ料金は+100円なのだが、とてもそんなクオリティではない。400円取って良い。

水風呂はチラー効果でバッキバキの13℃。まぁまぁ広く、深さもちゃんとある。

休憩スペースは水風呂の横にちょこっと外気浴チックなスペースがある。充実とは言えないがじゅうぶんだ。

電気風呂はなかなか強力で、体が電気に慣れるまで時間を要し、肩まで沈めるまでに1分くらい掛かった。それはそれで楽しい。

そういえば温泉に浸かっている時、後から入ってきたおじさんのキンタマを見たら引っ張ったらポトンと落ちそうなくらい根元が細くてダランと弱々しく長かった。

生牡蠣みたいにレモンを絞ってつるんと飲み込んでみたい。そんな衝動には駆られなかった。

お湯から上がった後は2階の宴会場へ。

桜が目の前に見える窓際の特等席でビーフカレーを食べた。

味は完全にレトルトだったが、そこはご愛嬌。宴会場があるだけで充分。

とはいえやはり気分のもやもやは晴れなかった。これを書いている今でさえもやもやだ。

思えば来週の火曜日もうっかり予定をダブルブッキングしてチケット代2000円が無駄になったのだった。もやもや案件だ。

「世界テレフォン・セックス選手権」というサブカルチャーの底辺中の底辺のイベントで、とても楽しみにしていたのに。

まぁ代わりに以前キンタマについての質問に答えてくれた女友達が行ってくれることになったから、全くの無駄というわけではないのだが。

感想を聞かせてもらえるだけよしとしよう。

こういう時こそ銭湯・サウナ通いを継続して、きれいなこころが入れるからだ作りをしなければならない。

とか考えている一方で、僕の脳みそのもう片一方では「シャクティパット」という、むかし大きな事件を起こした新興宗教ライフスペースで施術される個性的な治療法のことを考えてしまい、ほくそ笑んでしまう。ためにならない知識ばかり詰め込んでしまうのが僕の悪い癖だ。

オウム、法の華、ライフスペース、ホームオブハート、パナウェーブ。

いけない、冒頭で新興宗教的な会社のエピソードを話しておいて、ここでもまた新興宗教ネタを呼び起こしてしまった。

平成という元号と共にお別れせねばならない。

アリーヴェデルチ!(さよならだ)